取扱業務

法律相談「刑事事件」

捜査の対象となってしまった場合、
早めに適切な対応を行うことが重要です。

警察や検察などの捜査機関が犯罪があったと考える場合、捜査がされます。
そこで、犯罪を行ったと疑われる人(報道では「容疑者」という言い方がされますが、法律上は「被疑者」といいます。)が逮捕される場合もあれば、逮捕はされずに在宅のまま取り調べがなされることもあります。
捜査の対象となってしまったときには、実際には犯罪など行っていない場合はもとより、実際に犯罪を行ってしまった場合でも、早めに適切な対応を行うことが重要です。

一方、犯罪の被害を受けた場合に、加害者に対する適切な処罰を求めるための方法も、近年、拡充しています。
弁護士の取り扱う案件については、民事と刑事という言葉が一般的に使われるくらい、刑事事件は、重要な取扱分野といえます。

刑事事件について

弁護士が刑事事件に関わることとなるのは、捜査の対象となった方が警察に逮捕された場合が大半といえます。
逮捕されると、日常生活から切り離され取り調べを受けることとなり、場合によっては報道がなされることもあり、生活に重大な支障が生じます。
また、この先どうなるのかという不安な状況に置かれてしまいます。

逮捕勾留された場合

逮捕された後、さらに勾留(捜査のための原則10日間〜20日間の身体拘束)される案件では、10日〜20日の間に処分が決められることになります。
具体的な事情によって、処分を受けずに事件が終了すること(不起訴)になることもあれば、刑事裁判を受けさせる(公判請求、正式起訴)ということもあります。

罰金刑が定められている罪の場合、罰金となることもあります。
公判請求された場合には、その後に刑事裁判を受けることになります。
なお、未成年の場合には、勾留の後は、原則として家庭裁判所に送致され、成人とは異なった手続により処分が決定されます。

逮捕勾留された案件では、処分が決められる前に被害者との間で示談や被害弁償を行うことが、処分決定において有効なケースも多くあります。
公判請求された場合には、裁判までの間に保釈を行い、一旦社会に戻ることが生活再建の上で有用なケースも多くあります。
また、逮捕勾留段階で取り調べが行われることとなりますが、事実と異なることが記載された供述調書が作成されてしまうと、取り返しがつかない場合もあります。
このような状況でどのような対応をしていくのか、事案の見立ても踏まえて早期に検討する必要があります。

国選弁護人とは

一定程度以上の刑が定められた犯罪については、勾留された方が、私選弁護人を選することができない場合、国選の弁護人を付けることができます。
(2018年5月までは、一定程度以上の刑が定められた事件の被疑者であることが必要ですが、それ以降はこの要件は撤廃される予定です。)
また、公判請求されて刑事裁判を受けることとなった場合にも国選弁護人を付けることができます。なお、起訴される前に国選弁護人を付けることができる範囲は、今後、拡大することが見込まれています。
近年では、多くの場合、国選弁護であってもしっかりとした弁護活動を期待することができるようになっているのが実情と思われます。

私選弁護人とは

一方、国選弁護の場合、基本的に、どの弁護士に頼むかを選ぶことはできません。
弁護士と相談した上で、頼む弁護士を選びたいという場合には、私選弁護を頼むという選択もあります。

また、勾留されていない案件(在宅事件)では、裁判になるまでは、国選弁護人を付けることができません。
勾留されていない案件でも、弁護人を付けた方がよいケースも少なくありません。

このように、さまざまな活動を行っていくことが、弁護人としての弁護士の職務といえます。
身近な方が刑事事件に巻き込まれ、弁護を依頼したい場合や対応などについて相談を行いたいときには、早めにご相談におこしください。

犯罪被害者支援

弁護士というと、犯罪を行った側の弁護をするというイメージが強いと思われますが、近年、被害者支援も弁護士の重要な職務と意識されるようになってきています。

検察審査会への審査申立
犯罪の加害者と思われる者について、捜査機関が捜査を行ったものの不起訴となってしまった場合に、加害者に対しての処分を再考させる手続として、検察審査会という機関に審査の申立てを行うという方法があります。
意見陳述や被害者参加
加害者が刑事裁判を受けることになった場合に、被害者や遺族などが裁判で意見を述べる手続(意見陳述)や、一定の犯罪に関する刑事裁判について、被害者が裁判に参加し、加害者に質問したり、加害者が受けるべき刑についての意見を述べるなどの手続(被害者参加)もあります。
参加した被害者をサポートするために弁護士が被害者側で裁判に参加するケースもあります。

このような手続は、特に、被害者が亡くなっている案件で使われることが多いといえます。
また、一定の犯罪被害を受けた場合には、犯罪被害者給付金を請求できるケースもあります。

心神喪失者医療観察法に基づく手続

犯罪を行ったことは間違いないと認められるものの、精神的な障害のために、そのものについて刑事上の責任を問うことができない、あるいは責任が減軽されるという場合があります。
一定の重大犯罪について、精神的な障害を理由として不起訴となったり、無罪や執行猶予付の判決となった場合には、心神喪失者医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)に基づく手続が開始されることとなります。

この手続による裁判所の判断の結果、この法律に基づく入院や通院を命じられることがあります。
特に、入院となった場合には、法律上、入院期間の上限の定めがないため、場合によっては、社会に戻る時期が遅くなることもあり得ます。

頻繁にある事態ではありませんが、このような場合の相談等も行っております。

逮捕、勾留された場合には、勾留期間である10日〜20日の間に、捜査が進んでいきます。
逮捕、勾留された方にとっては長い期間ですが、処分が決定される前に様々な活動をしようとする場合には、時間が限られてきます。
早めに相談におこしいただき、場合によっては、弁護士が本人と接見(面会)した上で、事件に対する見立てを検討し、弁護に関する方針を決めていくことが望ましいといえます。

被害者側との示談や弁償を考える場合には、弁償金額などを検討の上、すみやかに交渉に入ることが望ましいところです。
勾留の要件を満たさないと考えられる場合には、準抗告という、勾留に対する不服の申立をすることも考えられます。

警察や検察から呼出を受けた場合には、慎重な対応が必要です。
参考人として呼び出されている場合でも、実際には、犯罪に何らかの関与をしているのではないかと疑われている場合もあり得ます。
犯罪への関与を疑われている場合には、呼出に応じないと、逮捕されるリスクがある場合もあります。

呼出に応じるのかどうか、応じた場合にどの程度詳細に説明をすることが望ましいのかなど、判断が難しい場合もあります。
対応に迷った場合には、ご相談におこしください。

社会生活上のトラブルが発生した場合に、相手方から、警察に訴える、告訴(警察や検察などの捜査機関に、相手方の処罰を求める手続)をすると言われることもあります。
このような場合、本当に自分の行為が警察に訴えられるおそれのある行為なのかどうか、どの程度の可能性があるのかなど、不安を感じることもあるかと思います。
心配な場合には、ご相談ください。

法律は無数にあり、また、法律の条文には書かれていない解釈が裁判例によって示されていることも少なくありません。
ある行為が犯罪に当たるのかどうかは、判断が難しい場合もあり、あまり意識していないうちに法に触れる行為をしてしまっていることも想定されます。

自分のしてしまった行為が犯罪に当たるかもしれないと不安がある場合には、それが犯罪に当たるものなのかどうか、犯罪に当たる場合にはどうすべきかなど、検討、助言いたします。

犯罪の被害を受けてしまった場合には、それだけで、大きなダメージですが、警察や検察から被害者として事情を聞かれたり、場合によっては、裁判に証人として呼ばれることもあるなど、ざまざまな負担が生じてきます。
また、被害について賠償を請求したい場合でも、加害者側に十分な資力が無い場合も多いのが実情と思われます。

最近では、警察や検察も、被害者に配慮した対応をしてくれることが多いと思われます。
ですが、被害者側としてきちんとした意見を述べたい場合や裁判に関与したい場合には、近年整備されてきた被害者のための制度を活用することを検討することが望ましい場合もあります。

また被害の回復について、どこまでのことが可能か見立てを行ったり、現実的な回収は難しくとも加害者に対する賠償請求の裁判をきちんとしておきたいということもあるかと思われます。
今後の対応に不安や心配がある場合も含め、まずは、一度ご相談におこしください。

夫婦間や親子間での暴力も、当然ですが犯罪行為です。
加害者が身内の場合、すぐには警察問題にしたくないという場合もあるかもしれませんし、逆に、早く警察などに対応を求めたい場合もあり得るなど、様々なケースが想定されます。

近年では、身近な人からの暴力についても警察が対応するケースが増えてきました。
警察が対応する場合に、加害者を逮捕するケースも割と見られる状況となっております。
暴力が継続している場合や、身体生命に対する現実的な危険を感じるときには、早めに警察の対応を要請した方がよい場合もあります。

また、犯罪行為としての処罰を求める場合のほか、夫婦間であれば、離婚を考える必要や、保護命令を求める必要、とにかく至急の避難をした方がよい場合などもあります(詳しくは、離婚のページをご覧ください)。
また、子どもが小さい場合などには、児童相談所に対応を求めることが適切な場合もあります。
弁護士であれば、刑事事件の手続だけではなく、このような様々な手続も検討の上、助言、対応を行うことも可能ですので、ご相談ください。

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